
引き出しの脱毛器と、医療脱毛のあいだで迷ったら
家庭用脱毛器をしばらく使ってみたものの、このまま続けるか、医療機関での脱毛に切り替えるかで迷う方もいるでしょう。この記事では、家庭用機器と医療レーザー脱毛について、照射の仕組みや出力、通う頻度、日焼けや肌荒れとの付き合い方を整理します。どちらが合うかは、肌の状態と暮らしのリズムを並べてみると見えてきます。
この記事の要点まとめ
- 家庭用脱毛器は出力が抑えられ、一時的な減毛・抑毛を目的とし、継続的なお手入れが必要です。
- 医療レーザー脱毛は医師が肌や毛の状態を診て照射条件を決め、毛周期に沿って複数回行います。
- 希望する減毛の程度や時間、肌の状態を整理し、機器の使用歴や疑問は診察時に相談しましょう。
目次
自宅で続けるか、医療機関に通うかを考える前に
判断の軸は「減毛の見通し・手間・肌の状態」
家庭用脱毛器と医療レーザー脱毛は、光やレーザーを毛に当てるという点では似ています。違うのは、扱える出力、照射を行う人、そして肌に変化が出たときの相談先です。比べる際は「どの程度まで毛を減らしたいか」「どれだけ時間を割けるか」「いまの肌の状態」の3つを並べると、考えがまとまりやすくなります。
迷ったときの振り返り方
1. 半年間で実際に照射した回数と効果の実感の程度を把握する
2. 脚・脇など部位ごとに、自己処理の頻度がどう変わったかを確かめる
3. 照射後の赤みやかゆみなど、踏まえ継続できるかを考える
家庭用脱毛機の「減ったけど生えてくる」のはなぜ?
家庭用脱毛器を使っても「思ったほど効果がない」と感じるのは、毛が減っても再び生えてくることがあるためです。家庭用の光美容器は、主に一時的な減毛・抑毛を目的としており、永久脱毛を行うものではありません。また、毛質や肌の状態、使用方法によって実感には個人差があります。繰り返しのお手入れが必要となるため、自己処理を長期的に減らしたい方には、期待する効果と実際の変化に差が生じることがあります。
家庭用脱毛機が効かない理由
毛の黒い色素が光を熱に変える仕組み
どちらの方法も、毛に含まれるメラニン(黒い色素)が光を吸収して熱に変わる性質を利用しています。この考え方は「選択的光熱融解」と呼ばれ、波長755nmのアレキサンドライト、800nm前後のダイオード、1064nmのYAGなど、複数のレーザーで減毛を検討した臨床試験が報告されています1。逆にいえば、産毛や白髪のように色素が少ない毛は、光に反応しにくい傾向があります。
家庭用では脱毛自体ができない?!
家庭用機器は、利用者が自分で扱えるよう出力が抑えられています。光を使うものかレーザーを使うものか、推奨される使用間隔や照射できる部位は製品ごとに異なるため、説明書の条件が前提になります。
一方、毛を作る組織に熱で作用させる脱毛は、医師が関与すべき医行為として扱われています2。医療機関では医師が肌や毛の状態を診察し、その結果を踏まえて照射の条件を決めていきます。
医療脱毛との出力の違い
家庭用の光脱毛器は、自宅で使用することを想定し、医療脱毛と比べて出力が抑えられています。一時的に毛が減っても、発毛に関わる組織を破壊するものではないため、再び生えてくることがあります。一方、医療脱毛は医療機関で高出力のレーザーを使用し、発毛に関わる組織を破壊する施術です。ただし、効果は出力の高さだけで決まるわけではなく、毛質や肌の状態に合った機器・設定で、毛周期に合わせて複数回の照射を行うことが大切です。
よくある質問
Q. 家庭用脱毛器を使っている途中でも、医療脱毛に切り替えられますか?
A. 切り替えを検討すること自体は可能です。ただし、家庭用機器の照射直後は肌に熱の影響が残っている場合があります。最後に使った日と部位を診察時に伝えてください。並行して使い続けるかどうかも、医師と相談して決めると肌への負担を見極めやすくなります。
Q. カミソリ負けや、脱毛後のニキビのようなポツポツが気になります。
A. カミソリ負けで赤みが強い部位は、状態によって照射を見送ったり範囲を調整したりすることがあります。照射後に出るポツポツは毛穴の炎症(毛嚢炎)の場合もあるため、触らずに医療機関で診てもらってください。必要に応じて塗り薬などで対応を検討します。
Q. 痛みに弱いのですが、医療脱毛は受けられますか?
A. 痛みの感じ方は部位や毛の濃さ、その日の肌の状態で変わります。照射部位の冷却や、麻酔の使用について相談できる医療機関もあります。不安があれば、診察の段階で率直に伝えてください。
参考文献
1. Sadighha A, Mohaghegh Zahed G. Meta-analysis of hair removal laser trials. Lasers in medical science. 2009. PMID: 18027066 / DOI: 10.1007/s10103-007-0515-1
2. 厚生労働省(政策・健康情報の入口) https://www.mhlw.go.jp/
3. Snast I, Kaftory R, Lapidoth M et al. Paradoxical Hypertrichosis Associated with Laser and Light Therapy for Hair Removal: A Systematic Review and Meta-analysis. American journal of clinical dermatology. 2021. PMID: 34057666 / DOI: 10.1007/s40257-021-00611-w
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本医学脱毛学会
アラガン社認定医
ミラドライ認定医
ウルセラ認定医
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