
施術当日の夜、赤みとヒリヒリに気づいたときの最初の対応
汗ばむ季節の医療脱毛後、帰宅して鏡を見ると脚やワキに赤みが出ており、衣服が触れるとヒリヒリすることがあります。受け取った軟膏が手元にあっても、塗る量や回数を思い出せない場合や、家にある市販のかゆみ止めで代用できないかと迷う場面もあるでしょう。
医療脱毛のあとの赤みやヒリヒリには、まず冷やして肌をきれいにしてから、出された軟膏を言われたとおりに塗り、自分の判断で市販の薬を足さないことが基本です。このページでは、軟膏を塗る手順や、使い方がわからないときの確かめ方、次の日の通勤や子どもとのお風呂で刺激を減らす工夫、医療機関へ連絡したい肌の変化をまとめました。
この記事の要点まとめ
- 赤みやヒリヒリは肌を清潔にして冷やし、処方軟膏を指示どおりに塗ります。
- 量や回数に迷うときは薬袋を確認し、市販薬の使用前に施術先へ相談します。
- 摩擦や熱、紫外線を控え、赤みの拡大・強い痛み・水ぶくれ・膿は医療機関へ連絡します。
目次
医療脱毛後の赤みとヒリヒリに処方された軟膏を塗る手順と、量・回数に迷ったときの確かめ方

医療脱毛後の赤みやヒリヒリには、まず冷やして肌をきれいに保ち、処方された軟膏を医師の指示どおりに塗ることが基本です。医療機関では、毛の太さや肌のようす、部位を見て照射の強さを決め、施術後の肌に合わせて塗り薬を選びます。そのため、手持ちの市販薬で代わりにせず、処方された薬を先に使います。
照射後の赤みとヒリヒリは毛穴まわりの熱反応 出方に差が出る条件
レーザー照射後の赤みやヒリヒリは、レーザーの熱が毛根とその周囲の毛穴(毛包)に伝わり、一時的な軽い炎症が起きることで現れます12。毛穴の立体的な構造や毛の太さ、皮脂の量には部位や個人による差があり、毛穴に沿って赤い点のような腫れ(毛嚢周囲の浮腫)が出ることもあります。
特に脚やワキのように毛が太く濃い部位、汗ばむ時期の照射、事前の剃毛によるカミソリ負けや乾燥、日焼けがある肌では反応が目立ちやすくなります。前回の施術より赤みが強く出ることも珍しくありませんが、時間の経過とともに落ち着くかどうかを観察する必要があります。照射後の痛みや赤みがあるときは、冷やして肌を清潔に保ち、処方された塗り薬を指示どおりに使いながら様子を見ます。
軟膏を塗る前に行う冷却と清潔の手順 保冷剤の当て方と拭き方
帰宅後に赤みや熱感があるときは、軟膏を塗る前にまず患部を冷やし、肌を清潔に整えます。熱感が残ったまま軟膏を厚く塗ったり、強く擦り込んだりすると、かえって刺激になるためです。
具体的な手順は以下のとおりです。
- 手を洗う:軟膏や患部に触れる前に、石けんで手を清潔にします。
- 優しく拭く:汗や皮脂がついている場合は、濡らした柔らかいタオルでこすらず押さえるように拭き取ります。
- 冷やす:保冷剤や氷水を清潔なタオル・ガーゼで包み、赤みのある部分に短時間ずつ当てて熱感を落ち着かせます。
- 軟膏を塗る:肌の表面温度が落ち着いてから、処方された軟膏を擦り込まずに優しく乗せるように広げます。
氷や保冷剤を直接肌に当て続けると、冷やしすぎによる肌トラブルにつながるため避けてください。また、気になって何度も手で触れることは赤みを長引かせる要因になります。
塗る量・回数・期間を思い出せないときの確認先 薬袋・説明書・クリニックへの問い合わせ
出された軟膏の塗る量や回数、使う期間を思い出せないときは、自分の判断で増やしたり減らしたりせず、まず手もとの薬の袋や薬の説明書を見てください。それでもわからないときは、施術を受けた医療機関へ問い合わせて、どう使えばよいかを聞きます。
「薄すぎて意味がないのでは」「重ねて塗れば早く引くのでは」と迷うことがありますが、外用薬は決められた回数と期間を守ることで本来の役割を果たします。塗り忘れた場合でも、次のタイミングで2回分をまとめて塗ることは避けてください。
市販のかゆみ止めや手持ちのステロイドで代用しないほうがよい理由 よくある誤解
処方された軟膏が手元にある場合や使い切った場合でも、市販のかゆみ止めや家庭にある別のステロイド外用薬を自己判断で追加・代用しないようにしてください。皮膚用の塗り薬には、油分が多く保護力のある軟膏や、伸びがよいクリームなどの基剤の違いがあり、症状や部位によって使い分けられています。
ドラッグストアなどで売られている、しもやけ・あかぎれ向けの軟膏やかゆみ止めには、照射後の肌の状態に合わない成分が入っていることがあります。どの成分が合わないかは肌のようすによって変わるため、自分で選んで塗る前に確かめることが大切です。
「炎症を抑える薬だから同じだろう」と、手持ちのステロイドを塗るのは避けてください。照射後の赤いポツポツには毛穴の炎症などいくつかの原因があり、見た目だけでは手持ちの薬が合うかを決められないためです。照射後の肌に使う塗り薬は処方時の指示の範囲で使い、別の薬を足したいときは塗る前に施術を受けた医療機関へ確かめてください。
ポイント
軟膏は冷却と清潔のあとに指示された量を塗り、量や期間に迷ったときや別の薬を使いたいときは、塗る前に施術を受けた医療機関へ確認しましょう。
通勤・入浴等日常生活でヒリヒリを長引かせない過ごし方と、連絡したい症状の変化

施術の翌日以降もヒリヒリを長引かせないためには、日常生活の中で汗や衣服の摩擦、体温の上昇といった物理的・温熱的な刺激を避ける必要があります。もし赤みが広がる、痛みが強まるといった変化が見られた場合は、次回の予約日を待たずに医療機関へ連絡してください。
通勤の汗とズボンの摩擦、入浴で気をつけること
通勤や育児のある生活では、無意識のうちに照射部位へ摩擦や熱が加わりやすいため、服装と入浴の方法を少し工夫します。特に脚やワキの施術後は、ストッキングやスキニーパンツ、締め付けの強い下着が歩くたびに擦れてヒリヒリ感を強めることがあります。
施術当日から翌日にかけては、通気性のよい綿素材でゆとりのあるズボンやスカートを選び、通勤中に汗をかいたときはハンカチでこすらず押さえるように拭き取ってください。また、施術当日の入浴は湯船やサウナを避け、ぬるめのシャワーで短時間で済ませます。体を洗うときはナイロンタオル等を使わず、泡立てた石けんを手で優しく撫でるように洗ってください。
保湿の再開と、運動・飲酒・日焼けを控える期間の目安
赤みやヒリヒリが落ち着いてきたら、低刺激の化粧水や乳液、保湿クリームなどでしっかりと保湿を行います。レーザー照射後の肌は水分が奪われて乾燥しやすく、バリア機能が低下しているため、保湿によって肌を整えることが次回照射に向けた準備にもなります。処方された軟膏と普段の保湿剤を併用する順番や重ね方については、処方時の指示に従い、不明な場合は医療機関へ確認してください。
一方、激しい運動や飲酒、長時間の入浴は血行を促して体温を上げ、赤みやヒリヒリ、かゆみをぶり返させることがあるため、症状が引くまでは控えるのが目安です。また、照射後の肌に紫外線が当たると色素沈着(茶色い跡)につながるおそれがあります。外出時は日傘やゆったりした衣服で照射部位を覆い、日焼け止めは赤みやヒリヒリが落ち着いてから塗るようにしてください。
赤みの広がり・強まる痛み・水ぶくれ・膿をもつポツポツは早めに連絡する目安
医療脱毛後の通常の赤みやヒリヒリは、冷やして刺激を避けるうちに、だんだん薄れていくことが多い反応です。レーザーの照射時から照射後には、痛み、軽い赤み、腫れ、かさぶた、内出血によるあざなどが出ることがあります。
ほかに、毛嚢炎、炎症後の色素沈着、やけど、傷跡が残ること、毛が太くなったり増えたりする(硬毛化・増毛化)などの合併症が起こることがあります。どれが起こりやすいかは、肌のタイプや照射部位などによって違います。次のような変化がある場合は、やけどや、毛嚢炎などの感染症が起きている可能性があるため、早めに施術を受けた医療機関へ連絡してください。
| 症状の段階 | 肌に見られる主な状態 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 通常の反応 | 毛穴に沿った軽い赤み、ほてり、点状のわずかな腫れ(時間とともに徐々に落ち着く) | 冷却を行い、処方された軟膏は処方時に指示された期間・回数の範囲で使い、刺激を避けて経過を見る |
| 相談したい変化 | 日がたっても赤みやヒリヒリが引かない、かゆみが強くて眠れない、白いポツポツが出てきた | 自己判断で市販薬を足さず、施術を受けた医療機関へ電話等で相談する |
| 早めの受診が必要な状態 | 照射範囲を越えて赤みが広がる、時間とともに痛みが強まる、水ぶくれ・皮むけ、膿をもつ赤いブツブツが増える、発熱を伴う | 次回の予約日を待たず、速やかに医療機関へ連絡して診察を受ける |
脱毛後に出るニキビのような白いポツポツや赤いブツブツは、細菌が入って起こる毛嚢炎のこともあれば、レーザーの熱による毛穴まわりの炎症のこともあります。事前の剃毛(VIOやワキでのカミソリ負けなど)が関わることもあり、見た目だけでは原因を区別できません。
軽いものであれば清潔を保つことで落ち着くこともありますが、数が増えたり膿を持ったりする場合は、自然に引くのを待ち続けずに受診してください。また、強い炎症を放置すると色素沈着につながることもあるため、早めの相談が推奨されます。
よくある質問
Q. 毛を剃ったあとや脱毛後に赤いポツポツが出たときの対処法は?
A. 施術前のカミソリ負けや、照射後の熱反応・毛嚢炎(毛穴の炎症)の可能性があります1。まずは患部をこすらず清潔に保ち、熱感があれば清潔なタオルで包んだ保冷剤で冷やしたうえで、処方された軟膏を指示どおりに塗ってください。爪で潰したり、毛抜きで毛を抜いたりすると炎症が悪化しやすいため避けてください。
Q. 医療脱毛後の毛嚢炎(白いポツポツ)は自然に落ち着きますか?
A. 小さなポツポツが数個ある程度であれば、肌を清潔に保ち摩擦を避けることで落ち着くこともあります。ただし、赤い腫れや痛みが強まる場合や、膿を持つポツポツが増える場合は、原因に合わせた治療が必要になることがあります。手持ちの塗り薬を自分の判断で塗り続けず、ポツポツが増えてきたら施術を受けた医療機関へ相談してください。
Q. 顔やヒゲの脱毛後に、顔がむくんだように腫れるのはなぜですか?
A. 医療レーザーの熱エネルギーが毛根の周囲に伝わることで、毛穴のまわりに一時的な軽い炎症とむくみ(浮腫)が生じるためです12。特にヒゲのように太く濃い毛が密集している部位では、熱反応が重なって顔全体が腫れぼったく感じられることがあります。通常は冷却と処方薬の使用でだんだん引いていきますが、強い痛みや水ぶくれを伴う場合は早めに医療機関へ連絡してください。
参考文献
1. Mohammed GF. The effectiveness of Cyperus rotundus essential oil in reducing the side effects of laser hair removal. Journal of cosmetic dermatology. 2022. PMID: 34132024 / DOI: 10.1111/jocd.14301
2. Akinturk S, Eroglu A. A clinical comparison of topical piroxicam and EMLA cream for pain relief and inflammation in laser hair removal. Lasers in medical science. 2009. PMID: 18716827 / DOI: 10.1007/s10103-008-0599-2
3. Lee SJ, Seok J, Jeong SY et al. Facial Pores: Definition, Causes, and Treatment Options. Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]. 2016. PMID: 26918966 / DOI: 10.1097/DSS.0000000000000657
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本医学脱毛学会
アラガン社認定医
ミラドライ認定医
ウルセラ認定医
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