医療脱毛の熱破壊式とは?仕組みと特徴を医師がわかりやすく解説|倉敷で医療脱毛なら、ながしま形成外科クリニック|形成外科専門医

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医療脱毛の熱破壊式とは?仕組みと特徴を医師がわかりやすく解説

医療脱毛の熱破壊式とは?仕組みと特徴を医師がわかりやすく解説

ワキ・VIOの太い毛と、熱破壊式という選択肢


ワキやVIOは、毛が太く毛根が皮膚の深い位置にあるとされる部位です。医療機関で扱われる「熱破壊式」は、その名のとおり瞬間的な高い熱で毛を作る組織へ働きかける方式です。この記事では、照射の仕組み、蓄熱式との考え方の違い、毛が抜け落ちるまでの経過、そして肌への配慮事項を、形成外科の視点で順に整理します。仕組みを理解したうえで自分の毛質・肌質に合う方式を見極めることが、納得のいく選択につながります。なお医療脱毛は自由診療で、公的医療保険は適用されません。照射時から照射後には、痛み(疼痛)、軽い赤み(発赤)、腫れ(腫脹)などが出ることがあり、まれに炎症後色素沈着、やけど(熱傷)、瘢痕(傷あと)、毛嚢炎、硬毛化などが起こる可能性があります。


この記事の要点まとめ


  • 熱破壊式は短時間で毛根深部に熱を届け、ワキなどの太い毛に反応しやすい特徴があります。
  • 照射された毛はその場でなく、数日から数週間かけて自然に抜け落ちる経過をたどります。
  • 赤みや毛嚢炎等のリスクを考慮し、肌質に応じた設定や照射後の保湿ケアが大切です。


サロンで効果を感じにくかった太い毛に、なぜ熱破壊式が注目されるのか

サロンで効果を感じにくかった太い毛に、なぜ熱破壊式が注目されるのか

「脱毛機器」の基礎・考え方


脱毛に用いられる光やレーザーは、毛に含まれる黒い色素(メラニン)に吸収され、熱に変わります。この熱がどこまで届き、どれだけの強さで作用するかが、方式ごとの性格を分ける分岐点です。医療機関で行う脱毛は、毛を作る組織そのものへ働きかける行為として位置づけられており、医師免許を持たない者による施術との線引きが行政通知で明確にされています1。


「熱破壊式」が効果が高い理由


熱破壊式は、短時間に強いエネルギーを一点へ集中させ、毛包の深部まで熱を届ける考え方をとります。ワキやVIOは毛が太く、毛根が皮膚の深い位置にあるため、浅い層で熱が拡散してしまうと作用が届きにくい構造です。毛の太さと深さは、どの方式が向くかを考えるうえで最初に確認したい要素になります。


「医療脱毛」の注意点・ポイント


ただし「強い熱=どんな毛にも良い」という単純な話ではありません。多毛に対する治療を検討した総説では、レーザー照射の作用は毛の色調・太さ・肌の色調、さらにホルモン環境といった複数の要因に左右されると整理されています2。反応の現れ方には個人差があり、結果を一律に見込むことはできません。


医療脱毛は自由診療であり、公的医療保険は適用されません。起こりうる主な副作用・リスクは次のとおりです。


  • 照射時〜照射直後:痛み(疼痛)、軽い赤み(発赤)、腫れ(腫脹)、ほてり、毛穴周囲の一時的なふくらみ
  • 数日以内:かさぶた(痂皮)、紫斑(青あざ)、かゆみ、毛嚢炎(毛穴の炎症)
  • まれに起こるもの:炎症後色素沈着、色素の抜け(色素脱失)、やけど(熱傷)、瘢痕(傷あと)の形成、硬毛化

症状の出方には個人差があり、気になる変化があれば自己判断で市販薬を重ねる前に医療機関へご相談ください。


熱破壊式の照射方法と毛根組織への作用の仕組み

熱破壊式の照射方法と毛根組織への作用の仕組み

熱破壊式の照射方法と毛根の基礎・考え方


土台にあるのは「選択的光熱融解」という考え方です。特定の波長の光が黒い色素に選び取られるように吸収され、周囲の正常な皮膚への影響を抑えながら、目標とする組織にだけ熱を生じさせます。熱破壊式では、この熱を毛の再生に関わる毛乳頭やその周囲の毛包組織へ、短い照射時間で一気に到達させる考え方をとります。ただし、どの部位のどの組織にどの程度作用しているかについては研究による見解の幅があり、現時点で断定できる段階ではありません。


熱破壊式の照射方法と毛根の方法・手順


実際の照射は、皮膚表面を冷やしながら一発ずつショットを重ねていく流れです。照射のたびに輪ゴムで弾かれたような感覚が走るのは、瞬間的に高い熱が生じるためで、方式の性質そのものと言えます。波長の選択も作用の深さを左右します。755nm帯は色素への反応が強く、1064nm帯はより深部へ到達しやすいといった特性があり、部位や毛質に応じて使い分ける考え方が一般的です。つまり熱破壊式の要点は、「短時間・高出力・深部到達」という三つの条件をそろえる点にあります。


熱破壊式の照射方法と毛根の注意点・ポイント


一方で、色素に反応する以上、日焼けした肌やもともと色調の濃い部位では熱が表皮側にも生じやすくなります。表皮に熱が集まると、赤み、やけど(熱傷)、炎症後色素沈着などにつながることがあります。そのため出力設定は、肌の状態を確認したうえで一人ひとり調整する必要があります。医療の現場では、施術者だけでなく医師が皮膚の状態を診たうえで判断する体制が求められます3。


毛根が太く深い毛(ワキ・VIO)に反応しやすいとされる理由


太い毛はそれだけ多くのメラニンを含み、光エネルギーを受け取る量が増えます。受け取った熱は毛幹を伝って毛包の深部へ広がるため、毛が太いほど熱の伝導路としても有利に働きます。多毛症治療をまとめた報告でも、色調が濃く太い終毛のほうが光治療に反応しやすいと整理されています2。逆に、色素の少ない産毛や白髪に近い毛では反応が得られにくく、この点は方式を問わない共通の課題です。


施術後に毛が抜け落ちるまでの経過と、肌への配慮事項


施術後に毛が抜け落ちるまでの流れと注意点


照射したその場で毛がなくなるわけではありません。熱を受けた毛は毛包との結合が緩み、皮膚のターンオーバーに押し出される形で、数日から2〜3週間ほどかけて自然に脱落していきます。シャワーや着替えのときにポロポロと抜けるのは、この経過の一場面です。抜け落ちるまでに時間差があるのは正常な流れであり、焦って毛抜きで引き抜くのは避けたい行為です。


施術後に起こりえる皮膚の反応と対処法


照射直後は、毛穴の周囲が赤く点状に盛り上がる「毛包性浮腫」が出ることがあります。多くは数時間から1日程度で落ち着きますが、熱がこもった状態が続くと不快感が長引くこともあります。冷却を行い、必要に応じて外用薬を用いるのが一般的な対応です。ワキやVIOのように汗や摩擦を受けやすい部位では、通気性のよい衣類を選ぶだけでも肌の負担が変わります。


施術後に起こりえる可能性のある肌トラブル


注意しておきたいのは毛嚢炎です。照射で一時的にバリア機能が下がった毛穴に細菌が入り込むと、白いポツポツとして現れます。放置せず相談することで、色素の残りにくい経過をたどりやすくなります。皮膚に生じた炎症性の変化に光治療を用いた研究でも、照射条件の管理と経過観察が結果を左右する要素として挙げられています4。


照射時から照射後に起こりうる症状には、次のようなものがあります。


  • 比較的よくみられるもの:痛み(疼痛)、軽い赤み(発赤)、腫れ(腫脹)、ほてり、かゆみ、かさぶた(痂皮)、紫斑(青あざ)
  • まれに起こるもの:炎症後色素沈着、色素の抜け(色素脱失)、やけど(熱傷)、瘢痕(傷あと)の形成、硬毛化

こうした症状が出たときに備え、施術後の相談窓口が確保されているかどうかは、通う前に確認しておきたいところです。


施術当日から数日の肌ケアで意識したいポイント


当日は入浴を短めのシャワーにとどめ、こすらずに洗います。保湿はたっぷりと、刺激の少ないもので。紫外線は色素沈着の引き金になりやすいため、照射後しばらくは日焼け止めと衣類での遮光を意識してください。汗をかく運動や飲酒は血流を増やし、ほてりや痒みを強めることがあるので、当日は控えめにするのが無難です。市販薬を自己判断で重ね塗りするより、気になる症状が出た段階で医療機関に相談するほうが、経過を見誤らずに済みます3。


よくある質問


Q. 熱破壊式は蓄熱式に比べて刺激を強く感じやすいですか?


A. 熱の与え方が異なるため、感じ方に差が出ることはあります。熱破壊式は短時間に高いエネルギーを集中させるため、輪ゴムで弾かれたような瞬間的な刺激として認識されやすい方式です。蓄熱式は温かさがじわじわ広がる感覚と表現されることが多く、どちらがつらいかは部位や個人の感覚によって変わります。


Q. 施術後、毛が抜け落ちるまでどのくらいかかりますか?


A. 一般的には照射から数日〜2〜3週間ほどかけて、自然に脱落していきます。部位や毛周期によって幅があり、毛が太い部位では比較的早い時期に変化がみられることがある一方、脚や背中では時間がかかることもあります。抜けてこない毛は休止期にあった可能性が高く、次回以降の照射で対象になります。


Q. カミソリ負けを繰り返していますが、脱毛は受けられますか?


A. 赤みやブツブツが強く出ている時期は、まず肌の炎症を落ち着かせることが先になります。落ち着いた段階で照射を検討する流れが一般的で、自己処理の頻度が減ることで肌への摩擦刺激そのものを減らせる可能性もあります。判断は診察のうえで行いますので、現在の肌の状態を見せていただくところから始めましょう。


参考文献


1. 厚生労働省(政策・健康情報の入口) https://www.mhlw.go.jp/

2. Somani N, Turvy D. Hirsutism: an evidence-based treatment update. American Journal of Clinical Dermatology. 2014. PMID: 24889738 / DOI: 10.1007/s40257-014-0078-4

3. 日本医師会 https://www.med.or.jp/

4. Jfri A, Saxena A, Rouette J et al. The Efficacy and Effectiveness of Non-ablative Light-Based Devices in Hidradenitis Suppurativa: A Systematic Review and Meta-Analysis. Frontiers in Medicine. 2020. PMID: 33224966 / DOI: 10.3389/fmed.2020.591580

5. 日本医療研究開発機構(AMED) https://www.amed.go.jp/


長島 史明

医師


ながしま形成外科クリニック

院長

長島 史明

▶ 監修者プロフィール

資格・所属学会
日本形成外科学会認定 形成外科専門医
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本医学脱毛学会
アラガン社認定医
ミラドライ認定医
ウルセラ認定医